最後のジャム生(4)

(前回の続きです)

3月の中旬、彼女が教室に挨拶に来ました。

「もう、これで本当に最後かぁ~。」

そんな風にしみじみ感じながら、私は思い出話に花を咲かせていました。

宴もたけなわとなった頃、突然、エンちゃんが彼女と「ライン」の交換を始めました。

「いったい何に使うの?」と最初は思っていましたが、

高橋:「じゃあ、大学の予定表とか出たら、ラインで送ってね~。」

まゆ様:「(ニコニコしながら)分かりましたー!」

小池:「え、え、えーーっ!!もしかして。」

エンちゃんは、まだ諦めていなかったのです。

夏休みや春休みといった帰省時に狙いを定めたのです。

私は常日頃、エンちゃんの無鉄砲な行動を揶揄していますが、今回だけは、その無鉄砲さが眩いばかりに神々しく見えました。

小池:「ま、ま、まじですか?季節限定講師なんて、聞いたことないですよ!講師紹介のページとか、いったいどう書けばいいんですか?」

そう言いながらも、私は顔のニヤニヤと笑い声を抑え切れませんでした。

高橋:「そういう講師がいたら、なんか面白くない?ジャム的にはOK!

小池:「もう~、ただでさえ、周りからは変な塾と思われているのに~。ますますカオスな方向へ。」

高橋:「望むところだ!ていうか、もう手遅れだ。」

まゆ様:「(ニコニコしながら)なんか、ジャムらしい~。」

夜11時過ぎの教室に、3人の笑い声が響き渡りました。

☆ ☆ ☆

3月27日、当塾が7年目のスタートを切った日、我々にとっての最後のジャム生は、新天地に向かって旅立ちました。

 

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