刻まれた記憶
ある生徒から、学校の授業で扱った英文読解の内容が“ヤバかった”と話されました。
人間がコキフリを恐れる仮説が書かれていたそうです(*濁音を付けると気持ち悪いので、あえて外しました)。
「太古の昔、昆虫は巨大だった。だから当時の哺乳類は、“彼”には勝てなかった。「進撃の巨人」の世界のように、人間はコキフリに捕食されていたのかもしれない。その恐ろしい記憶が、DNAに刻まれている。」
そんな内容だったらしく、文中には“彼”を意味する「cockroach」という英単語が何回も登場したそうです。代名詞も含めれば、もう30回くらい。
話を聞きながら、飲んでいたコーヒーを吐きそうになりました。
生徒自身も、「正直、英語どころではなかった」との感想を漏らしていました。
基本的に、“彼”が御出現あそばされた時、平然としているジャム生&講師は少ないです。
ちなみに私は、生徒よりも先に逃げますから(キリッ)。
ところが、せめてもの救いは、エンちゃんが“彼”に全く動じないタイプであることなんです。虫類が平気なんです。
先程の長文読解の仮説に一筆加えるならば、
「太古の昔、人間が“彼”に捕食される中、猿は勇敢にも“彼”と戦っていた。まるで、調査兵団のように。その時のDNAが、まだ脈々と流れている。」
となりそうですね。
以前、某国立大学医学部の英語小論文入試で、ある生物学者の「コキフリの脚切断実験(*濁音は外しています)」が出題されたことがあります。“彼”の脚のイラストがズラっと描かれていて、英文とイラストを見比べながら問題に答えるというものです。
英語以前の問題で“アウト”だった受験生がいても不思議ではありません。大学側は「医学を志す人間は、何事にも怖気ない強靭なメンタルを持て」と伝えたかったのでしょうか?恐るべし。