今年を振り返って2024(2)

(前回の続きになります)

私やエンちゃんが受験生だった時代、合格者の番号は現在のようにインターネット上ではなく、冷酷にも大学の掲示板に張り出されました。

そして掲示板の前では、

「あ、あったーーっ!やったぁぁぁーーっ!」

合格者の誰もが、おそらく脳の指令よりも早く自動的に声を発していました。

私自身も例にもれず、番号を見つけた瞬間、自動的に声が出てしまいました。この時の衝撃は、まだ記憶に残っています。ついでに言うと、長い受験番号さえ、まだ覚えています(笑)

こういった”思い出”は、一般受験組にしか味わえないご褒美だと言えるでしょう。

それだけではありません。もっと大切なものがあります。

苦難を乗り越えて大きな目標を達成した時、人は自分を大切に思うようになるのです。

1996年のアトランタ五輪女子マラソンで、有森裕子選手が銅メダルを獲得した際に「初めて自分で自分をほめたいです!」と語り、同年の流行語大賞にもなりました。

私は合格発表の帰り道、初めて心から自分で自分をほめていました。

正直、私はそれまで自分という人間を、あまり評価していませんでした。

大して中身もないくせに、プライドだけは一人前。単なるハリボテに思えていました。

でも、そんなハリボテでも、その時は心から自分で自分をほめていました。不器用な自分を、初めて等身大のまま受け入れていました。

☆ ☆ ☆

人間というのは、ある意味で非常に自己中心的な生き物です。自分自身への評価が低いと、他者への評価も低くなります。

凶悪犯が罪なき人に平然と危害を加えることができるのは、根本的に自分への評価が絶望的に低いからです。自分をくだらない人間だと感じているから、相手もくだらない人間に思えてしまい、凶行に及べるのです。

反対に、他人を大切にする人は、自分への評価が高い人です。

自身を高く評価し、自分を大切に思っているからこそ、他人のことも大切に思えるのです。

「自分で自分をほめる」という行為は、こういった自己に対する評価を、自身の手で大きく高めるキッカケとなります。本当に計り知れない宝物なのです。

そして、長い人生において、そんな素敵な宝物に遭遇できるチャンスの一つが、大学の一般受験であると、私は信じています。

だから一般受験組の皆さん、今をしっかり戦い抜きましょう。2月や3月に、きっと大好きになれる自分が待っているはずです!

☆ ☆ ☆

最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。

毎年恒例となりましたが、こんな長い自分語り文を最後まで読んでくれたあなたは、間違いなく”特異な方”です。ありがとうございました!

それでは、生徒の皆さん、

保護者の皆さま、

ご近所の皆さま、

そして、いつも素通りされる通行人の皆さま、

今年も本当にお世話になりました。来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。

皆さまが、実りある2025年を迎えられますように。

それでは、よいお年をお迎えください。

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