武蔵野人情物語
本が大好きな中学生Uさん。今年度ジャムに仲間入りした生徒の中で、間違いなく不思議ちゃん系の一翼を担う個性派キャラ。
そんな彼女が、自習時間に黙々と国語の読解問題に取り組んでいました。文章を読みながら、設問とにらめっこ。
休み時間(16:00~16:10)に入った頃、
Uさん:「あっ、4時になりましたね。じゃあ休憩しま~す♪」
嬉しそうに言うと、すぐさま自分が持ってきた本を取り出して読書を始めました。
小池:「一体、それのどこが休憩なんだい!」
仰天しながら尋ねたところ、彼女は笑いながら、
Uさん:「問題を解くために文を読むのと、楽しむために読むのとでは、全く感覚が違います。」
それを聞いて、
小池:「つまり、お寿司を食べている時に、ガリの代わりにおにぎりを食べるってことかい?」
Uさん:「・・・」
我ながら、ロマンの欠片もない発言だなあと、反省しております。
☆ ☆ ☆
とあるラーメン屋で遅い昼食をとった時のこと。
券売機の釣り銭口に、10円玉が残っていたことに気付きました。
これがもし500円玉だったとしたら、“悪魔の誘惑”があったかもしれませんが(こら)、食券を渡す時に一緒に返しました。
事情を聞いた店員が、こちらが思っていた以上に驚いたことに“驚き”ました。
早速、その店員は別のお客さんに近づいていきました。おそらく私の前に券売機を使った人でしょう。ビンゴでした。
「見つかりました。ありがとうございました。」
店員がわざわざ報告に来てくれました。今どき珍しく応対の良い人だなあ、と感心。
落とし主の方からは、会釈の一つもありませんでしたが(笑)
何はともあれ、めでたしめでたし。ということでラーメンの到着を待ちました。
5分後、
「あれ、いつもこんなにメンマあったっけ?」
ラーメンに乗っているトッピングを見て、しばし茫然。
「あ、もしかして…」
あえて言葉に出すようなことはしませんでしたが、
「そういうことかな。」
と好意的に解釈しました。当然、一本残らず美味しくいただきました。
忘れかけていた“人情”ってやつを、少し思い出しました。
10円以上の価値のある大盛りメンマと人情を胃袋に収め、足取り軽く、教室に向かいました。