鳥突く
“相手がつっけんどんで、話が全く進まない状態”を、「取り付く島もない」と言います。
“船が海で漂流し、避難できる島がなくて途方に暮れている状態”が語源となります。
「いかにも事務的な対応で、取り付く島もなかった。」
ところが、「取り付く暇もない」と間違って覚えている方が、案外多いと聞きます。
「上司は忙しそうで、取り付く暇もなかった。」×
「しま」と「ひま」は響きが酷似していますので、ある意味で仕方がないことだと感じます。
個人的には、「島」が「暇」に聞こえたことで、目線が自分から相手へと移り替わり、脳内で言葉の辻褄を合わせてしまうのですから、ある意味で高度な勘違いかと…。
この表現に関し、一歩上を行く、歴代ジャム生たちの未来型解答トップ2を紹介します。
第二位 「鳥着く島もない」
“地球温暖化で海面が上昇し、いくつかの島が消滅したことで、渡り鳥の休息所が消えた”
環境保護論者のような、意識の高い論調に唖然としました。
第一位 「取り憑く暇もない」
“忙しくて、もう相手に憑依する時間が取れない幽霊”
“憑”という漢字を知っている凄さと、勘違いのギャップが華麗でした。稲川淳二氏も嫉妬するほど、怪談の季節は引っ張りだこなのでしょう。
そんな思い出の雑談をしていた時、エンちゃんとある生徒のやり取りが聞こえました。
二人のやり取りを耳にしながら、生徒目線で一つの例文が思い浮かびました。
例文:「エンちゃんに宿題を減らすようお願いしたが、取り付く島もなかった」