65充
「じぃぇあ・・ちゅう・・んは・・どこ?」
深夜の荻窪駅の前で、突然、東洋系の外国人から声を掛けられました。
ビクビクしながら、もう一度、聞きなおしてみると、
「JR中央線は、どこ?」
と尋ねていたことが分かりました。
前置きもなしに、いきなり他人にモノを尋ねるなんて、なんか不躾な子どもみたいで、最初はいい感じがしませんでした。
駅が目の前にあるのに、変なことを聞くなあ?と思いましたが、荻窪駅には「丸ノ内線」や「総武線」もあるので、もしかして駅の入り口が別々だと思ったのでしょう。
駅の入り口を指し、「あっちですよ」と答えました。
するとその外国人は、こっちがビックリするくらい満面の笑みで「ありがとう」と言って喜んで去っていきました。
爽やかすぎる笑顔に、ぼーぜん。
その外国人は、不躾ではなくて、単に日本語に慣れていなかっただけなのです。
少しほっとした気持ちになりました。
4月17日の投稿「かく」でも触れましたが、人のメッセージの65パーセントは、言葉以外の要素で伝わると言われます。
サービス業と呼ばれる仕事に従事する方々は、アルバイトでも、社員でも、職員でも、基本的に“お客さん”に対して、丁重な言葉を使います。
しかし、時に志の低い人は、全く感情がなかったり、場合によっては、マニュアルに書かれた丁寧な言葉を威圧的に棒読みすることもあります。
その外国人は、そんな日本人よりも正しく日本語を使っていたのではないでしょうか?
手にぶら下げたレジ袋を見つめながら、ふとそう感じました。
言葉以外の65パーセントが充実している「無語充」な社会を、みんなで目指したいですね。
*「リア充」とは違います。混同して使わないでくださいね。>えんちゃん