年齢証明
Sさん:「だから、ずっと猫背にしていました。」
小学生時代に、一気に背が伸びたという高1生のSさん。
中学に入ってからは止まったそうですが、それでも現在の高校のクラスでは、上から3~4番目にいるそうです。
小学生時代の彼女がどれほどノッポさんだったか、想像できるでしょう。
夏休みなど、小学生以下のバス料金が一律50円になる時が、一番つらかったと話してくれた彼女。
乗る時、ちゃんと運転手さんに「小学生です。」と言ってお金を入れても、機械から出てきたお釣りを数えると、大人料金のままだったりとか…。
中には、「嘘なんて、つかない方がいいよ。」
と、一方的に言ってきた運転手もいたとか…。
「どうすれば、背が伸びなくなるの。もう、身長、とまってーーー!!!」
小学生ながらに、こんなことばかり考えていたそうです。
話を聞きながら、なんか気の毒になってしまいました。
考えてみると、小学生が自分の身分を証明する方法って、その場に親でもいない限り、なかなか難しいですよね。
中学生には学生証という「身分証明書」がありますが、私立ならともかく、公立の小学生は学生証なんか持っていません。
又、そもそも学生証自体、通学定期などの学割目的を除けば、“一定の年齢を超えている”ことを証明するために使用されるケースがほとんどで(居酒屋や競馬場など)、“一定の年齢を超えていない”ことを証明するために使用されるものではありません。
試しにちょっとググってみたところ、小学生なのに“そう見えなかった”ために、嫌な思いをした人は結構いるようです。
これはもう、我々大人側が、気をつけるしかないのではないでしょうか?
誰しも、年を重ねれば重ねるほど、常識や一般論にとらわれがちになります。しかしだからといって、“聞く耳を持つ”ことを忘れたら、単なる思考停止と同じです。
特に相手が子どもの場合は、気を付けないと前出の運転手と同じで、相手の心に深い傷を負わせてしまうことになりかねません。
正しく年を重ねるって、簡単ではないようです。