(前回の続きとなります)

全国大会出場が決まって以降、言うまでもなく、部活の練習は激しさを増していったはずです。

しかし彼は、その後も変わることなく“いつもの時間”に姿を見せ、勉強を始めていました。

もはや単なる「部活と勉強の両立」を超える異次元の両立だったと思われます。でも、愚痴ひとつ言わずに勉強時間を絞り出し、授業に臨んでいました。

そんな二足の草鞋を履く彼を見て、私は「大したもんだなあ~」と感心するばかり。

授業中には、全国大会の話もしました。もし準々決勝まで勝ち進むことができたら、前年度の準優勝校と対戦できるという話を聞き、

「そうなったら、マジですごいね!」なんて驚いた覚えがあります。

入試までの3週間弱のラストスパートは、あっという間に過ぎ去りました。

☆ ☆ ☆

入試に挑んだ一週間後、

彼から届いたメールは、待ち望んでいた吉報でした。

嬉しいことに、合格したその日のうちに、わざわざ教室に挨拶にきてくれました。もちろん猛練習をしてきた後に立ち寄ってくれたのでしょう。“いつもの時間帯”でした。

そして…

その日を境に、夜9時半に教室の自動ドアが開くことはなくなりました。

次に彼の姿を見たのは、1月の冬期講習中のこと。テレビ画面の中でした。(続く)