今年を振り返って(3)
(前回の続きになります)
受験者はまばらかと思いきや、おっとどっこい!待合室の1Fホールは予想以上にごった返していました。
年齢層は幅が広く、小学生からご年配の方まで。
英検の本会場試験のような緊張した雰囲気は、受験者からはあまり感じられません。
小学生が入り口の「第○○回、歴史能力検定試験」と書かれた看板の前で記念写真を撮っていたり、試験終了後に一緒に答え合わせをしていた親子の姿など、微笑ましい光景が目に入りました。
確か、2級以上を取得すると高卒認定試験で歴史が免除されるため、そういった”実利”目的の人もいたはずですが、資格の習得目的というよりは、趣味で受験しているような人が多いように感じられました。
「合否に関係なく、また来年も受けに来たい」そう思いながら、家路につきました。
☆ ☆ ☆
歴検には、1級に10回以上合格して表彰されている方が、何十名か存在するそうです。
興味深いことに、その人たちの中には、歴史とは全く関係のない仕事をしている人もいます。なんと、お医者さんまで。
ちなみにその方は、毎年夏の終わりから勉強を始めるそうです。まさに、理系から文系への豪快すぎる横断。
そのお医者さんにとって、歴検を受け続けることで得られる金銭的メリットなんて、もちろん何もないでしょう。
でも、とっても充実しているように見受けられました。
そんな人たちの紹介記事を読みながら、私の中で壮大なる目標が生まれました。
「私も、仲間入りを目指そう!」(最短でも10年かかりますが…汗)
達成できるかできないかは別として、今は来年の試験を楽しみにしながら、無理をせず、少しずつ勉強を継続しています。
☆ ☆ ☆
さて、これが英語を教える仕事の役に立つのか?と聞かれたら、私は胸を張って「役に立たない!」と答えるでしょう。
「だったら何の意味があるんだ!」「コスパが悪いぞ!」
そう食って掛かってくる人もいるかもしれません。
しかし、少なくとも私は「充実した生活を送れる日本国民が一人増えました」ということは、主張できると思っています(笑)
日々充実した生活を送っている人は、自然と発言がポジティブになり、マイナスなことを口にしなくなります。それは周りの人を自然と明るくさせます。
そして、明るい人が増えれば増えるほど、巡り巡って社会全体が幸福になっていく、と私は信じています。
ちなみに、この”趣味”に対して年間で必要な費用は、受験料の数千円+交通費のみ。抜群のコスパじゃないですか。
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結局、努力に意味がないことは”ない”のです。
少なくとも私に関しては、20年以上前に「意味がなかった」と結論付けた歴史の勉強が、20年以上の歳月を経て、人生後半の生き甲斐の一つとして、姿を変えて戻ってきました。
頑張った経験は、決して無駄になんかならない。
そんな喜びを改めて噛みしめた時、ふと、例のうちわの川柳が頭をよぎりました。
ありがとう 未来の自分に 言わせよう
“あの頃”の自分に、そっと声をかけました。
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最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
毎年恒例となりましたが、こんなにキザで冗長な自分語り文に最後まで目を通してくれたあなたは、間違いなく”奇特な方”です。ありがとうございました!
それでは、生徒の皆さん、
保護者の皆さま、
ご近所の皆さま、
そして、いつも素通りされる通行人の皆さま、
今年も本当にお世話になりました。来年も引き続き、よろしくお願い申し上げます。
皆さまが、実りある2024年を迎えられますように。
それでは、よいお年をお迎えください。