報われる努力
ご無沙汰しておりました。
ブログの更新がないと、教室でこれといった珍事が起きていないように思われがちですが、実は、大規模地殻変動を繰り返しておりました。
一つは、5月以降、新しい講師が2人加わったこと。これで、3月を含めると3人になります。
今年引退された講師は吉田先生だけですので、トータルで2名増えたことになります。
講師紹介欄には、まだ1名分しか掲載されておりませんが、その内、コッソリと残りの2名を追加していく予定です。
講師を増やした理由としては、単に私とエンちゃんが授業をサボりたかった…、というふざけたものではなく、授業の厚みをさらに増したいという思いからです。
例えば、同じ文系でも、社会学部と文学部の講師では守備範囲が重なるとはいえ、得意とするストライクゾーンは若干異なります。
理系だと、もっと顕著でしょう。
生徒が投げる全ての球を、できるだけストライクゾーンのど真ん中で打ち返してやろうじゃないか!というエンちゃんの暑苦しすぎる熱意から、今回の運びとなりました。
実際、講師は増えましたが、私もエンちゃんも、特に仕事量は減っておりません…(泣)
☆ ☆ ☆
新高1となったジャム生たちが、最初の中間テストを終え、いよいよ答案の返却が始まりました。
もちろん、高校によってテスト日程はバラバラであるゆえ、現在、中間テストの真っただ中!というレアな生徒も若干名います。
今回、素晴らしいスタートダッシュを切った新JKがいます。
中学生時代は、勉強が好きとか、得意とか言える生徒ではなかった彼女。
「高校では、みんな同じスタートラインに立っている。だから成績は、やったもの勝ちだ!」
今回、その言葉を信じて頑張ってもらいました。
そんな彼女が、高校生になって最初の定期テストで、クラス総合1位という結果を持ち帰ってきました。
本人も、まだ喜びの実感が湧かない(分からない?)様子。
高校って、こういうことが起きるのです。
正直、中学校というのは、特に都内の公立中学は、生徒の学力がバラつきすぎなんです。
極論、毎日ゲーム三昧の生活を送ってきた小学生と、難関有名私立中学を目指しながらも残念な結果に終わり、そのまま公立中に進学してきた生徒が、同じ机を並べている状態なのです。
中学受験って、かなり異常な世界です。
かなり昔ですが、社会の問題で、開成中学とお茶の水女子大学で同じような入試問題があったという珍事もあるくらいですから。
そんな中学受験を経験した者たちのストックというのは、普通に小学生時代を過ごした普通の中学生が、テスト前に“ちょこっと本気”で勉強したくらいでは、到底ひっくり返せません。
それゆえ、都市部の公立中学で定期テストの問題を作られている先生方は、そういったバランスの配慮に苦労されていると聞きます。
そして、実際に定期テストの問題を見る限り、大抵“どちら側の生徒”であっても、ストックとは関係なく、教科書や授業内容を真面目に復習してテストに臨んだ生徒が、それなりに点を取れるように作られているケースがほとんどです。
ただ、時おり、“ちょっぴり易しめ”はともかく、教科書からかなり脱線した“かなり難しめ”に偏ったテストを作られる先生も散見します。テスト問題を見れば、一目瞭然です。
そのような場合、残念ながらストックの有無が、そのまま影響することもあります。つまり、普通の生徒が、普通に努力した分だけ、普通に点数が上がるという保証は下がります。
中学時代に彼女が苦手としていた教科の定期テスト問題からは、言いにくいですが、“そういった類の空気”が若干感じられていました。
昨年の秋には、「どうせ、努力は報われないんだ」
そんな悲しい言葉を、口にしたこともありました。
そして4月、ピカピカのJKとなった彼女が中間テストを直前に迎えた頃、
「今回、もし不甲斐ない結果だったら、なんて声をかければいいのだろう。」
私には正直、そんな不安もよぎっていました。
でも、ふたを開けてみたら、
「得意教科がクラスで1位だった。」
これだけも、彼女にとっては大きな喜びのはず。
ところがどっこい、それにプラスして、
「クラスで総合1位だった!」
嫌というほど、努力が報われていました(笑)
これまでの経験から言えるのは、高校の最初のテストで好成績を収めた生徒は、ほぼ間違いなく、3年間良い成績を維持し続けるということ。
努力にしろ、偶然にしろ(?)、最初に高順位を叩き出すと、最後まで維持しておきたいと思うのが人の常だからです。
大学の付属校に進学した高校生であっても、それは全く同じです。
高1の最初に好成績を取った生徒は、3年間しっかりと成績上位をキープし、“内部生あるある”の壮絶な学部争いに翻弄されることもなく、スルッと第一希望の学部に入っていきます。
数年前には、学年1位をキープし続けて指定校推薦を取り、さらに上位の大学へ進学していったケースもありました。➡高校部 T.H君
努力が報われることを実感できた彼女の3年後が、今から楽しみです。