理想の実践を/英検
思えば、開校時に新中1だった生徒は、新高1に。新高1だった生徒は、ついに大学生となります。
昨日、小学生の時からずっとジャムに通ってくれたYさんのご両親が、ご挨拶に来てくださいました。
入校当時のイメージというものは、どうしても消えないもの。基本的に私は、生徒の名字に、きちんと“君”や“さん”を付ける派なのですが、Yさんは在籍期間が長かったせいもあり、高3になっても、うっかり名前に“ちゃん”をつけて呼んでしまうことがありました。
そんな生徒も、卒業してしまうんです。ある意味で、「一つの区切りがついた!」という感じがしています。
開校三周年に際して、知り合いの“タイガーマスク様”より、立派なランドセル胡蝶蘭が送られてきました。
教室をグッと彩る素敵なプレゼントに、スタッフ一同、感激しております。
凛とした胡蝶蘭に見守られながら、いよいよ、四年目のスタートが切られます。
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高校生のSさんは、前回のK君と同様、新形式の英検2級に挑む勇者の一人です。
「日本食と洋食、どっちが好き?理由を添えて述べなさい。」
“辞書じゃんじゃん使用可”で、挑んでもらいました。
彼女が日本食を選択したのを見て、てっきり私は、「はは~、書きやすい方を選んだな~。」と勝手に思っていました。
日本食だと「健康に良い」とか「見た目が美しい」など、理由が浮かびやすいのです。
しかし、Sさんは、予想外に考え込んでいて、
Sさん:「せんせー。“一汁三菜”って、英語でどう表すんですか?」
・・・
小池(心の声):「舐めてました。サーセン!」
彼女が書こうとしていたのは、「伝統的な食事“一汁三菜”のおかげで、日本は長寿国を誇っている。」という複雑な内容。
「“書きたいこと”ではなく、“書けること”を書けばいいのに・・」と、アドバイスしたくなるかもしれません。しかし、それは悪しき常套手段であると、私は思っています。
「何を言ってるんだ。塾の役割は、とにかく点数を取らせることだろっ!」と、大ツッコミを受けそうですね。
もちろん、入試を直前に控えた生徒に対して、“書けること~”のアドバイスは立派な定石です。確実に点を取っていくという目的を、達成できるからです。
しかし、入試という制約がない状況でしたら、どうなのでしょうか?英検は、少なくとも入試とは異なる存在です。
そんな状況で、先生から「書けることを書けばいいんだ!」なんて言われてしまったら、私だったら、その瞬間にやる気が失せてしまいます。
今は春休み。ある意味で緊急性の低い時期。目の前の点数とか関係なく、どっぷり“学び”に挑戦できる期間。こういう時期だからこそ、“私塾”として、学びの理想を実践できるのではないでしょうか?
「“書けるもの”に照準を合わせるのではなく、“書きたいこと”に照準を合わせよう!」
K君とSさんは、そのような志で取り組んでいます。“辞書じゃんじゃん使用可”は、そういった理由からです。
“一汁三菜”のお話を、何とか最後まで書き上げたSさんの、達成感に満ちた表情が印象的でした。
書き終わった英文に、文法ミスといった“無情なツッコミ”を入れなければならないのは、授業とはいえ、ちょっと辛いところですが・・。
授業終了後、無性に味噌汁と納豆が食べたくなりました。その日の晩御飯は、まるで朝食のようなメニューでした。