通勤サバイバル
入試期間が過ぎて、
「さあ、いよいよ給料泥棒月間に突入だー!」
と思いきや、今年は一部の私立校の期末テストが、綺麗に入試の後に続きました。
当然、しっかりと仕事を続けさせていただきました。
例年ならば、毎日のように顔を突き合わせていた高3生がパタッといなくなり、心にぽっかり穴が開いてしまう時期。
でも、期末テストの忙しさのおかげで、そのような気持ちに飲み込まれることなく過ごせました。気付けば、数日後には春期講習が迫っているという状態です。
☆ ☆ ☆ ☆
通勤時に携帯音楽プレーヤーは欠かせません。
別に私は「NO MUSIC, NO LIFE」といった音楽依存症の人間ではありません。アルコール依存症の人間です。
携帯音楽プレーヤーが欠かせないのは、電車内で、他人様のおしゃべりをあまり耳にしたくないというのがあります。
ところが先日は、終電間近に慌てて教室を出たので、携帯音楽プレーヤーを置いてきてしまいました。
途中で気が付きましたが、戻ったら終電を逃すのは必至ゆえに諦めました。タクシーで帰った方が心にダメージは少ないかな?と思いながら(財布にダメージはありますが)駅に向かいました。
携帯音楽プレーヤーなしで終電に乗ると、心を痛めることがあります。
まずは、駅のプラットホーム。終電は遅れることが多々あります。
そのような場合、通常は「電車が遅れて、申し訳ございません。」といったアナウンスが流れますが、運が悪いと、変な客に絡まれて苛立ちが頂点に達した駅員の「“別に俺が悪い訳じゃねーよ”オーラ全開の、ふてくされた刺々しい逆切れアナウンス」が流れます。
一日の仕事を終えて帰路につく人間にとっては、そんなものを聞かされると、その一日を否定された気分になり、心がしょぼんとしてしまいます。
正直、虫唾が走る思いがして(私の暴言だらけなので、割愛)
そして次に、電車に乗り込むと、今度は酔っ払いが(私の暴言が続くので、割愛)
こうして、往路が終了します。
次の日、今度は職場に向かう復路が始まります。
さすがに時間的に酔っ払いはいませんが、携帯電話で話す輩とか、オーバーアクションでリア充を披露するカップル、何かを熱く語り合う人など「アピール屋」に悩まされます。
「アピール屋」と揶揄するのは、こういった輩は、周囲に聞こえていることを前提として喋っていることが、バレバレなんですよ。
ナレーション口調とでも言えばよいのか、初めて聞いた人でも、内容が分かるように配慮されているんです(笑)
で、結局「自分はこんな凄いことを考えているんだぜ」と、話し相手だけでなく、ご丁寧に周囲の人間にもわかりやすく教えてくれます。
そんな方々に囲まれてしまう環境なので、携帯音楽プレーヤーがないと、本当に精神が修羅場となってしまいます。
さて、覚悟を決めて乗り込んだ車内は、今回は珍しく静かでした。
わずかに聞こえてきたのは、日本語ではなく英語。
カップルが小声のトーンで話していました。
「マナーの良い外国人だなあ」と感心して見ると、片方は日本人女性。
あまりに流暢だったので、てっきりネイティブ同士かと。
驚いたのは、女性が意図的に声のトーンを下げることで、相手の外国人男性も自然とトーンを落としている感じだったこと。
「凄い人って、やっぱり凄いやー!」
公共の場で、これ見よがしに外国人と話す人を見ることはありますが、TPOをわきまえて、会話を目立たぬように誘導していた人は、初めて見ました。
「世の中には、あーゆー人もいるんだ!」
なんか嬉しくなって、授業の一コマ目からテンションマックスでした。
生徒は“目が点”でした。