3年後
今から3年前、英検協会から届いた合否結果に、我々は愕然としました。
この地に教室を構えて、初めて迎えた英検2次の合否発表。
結果は、1名を除いて全員合格。
喜びの声というものが、上がりませんでした。唯一落ちた1名が、合格確実の生徒だったからです。
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当時、中3生だったその生徒は、すでに練習の段階から群を抜いていました。英文を恥ずかしがらずに堂々と音読できる上、質問に対する返答も適切でした。
どの講師が模擬面接をやっても、「余裕で合格だね!」と太鼓判を押されていました。
私自身も、「○○さんって、こんなに英語を話すのが上手だったの?」と尋ねてしまったほど(失礼しました!)。
それだけに、彼女が“満点に1点足りない”のではなく、“合格最低点に1点足りない”という評価を受けたのが、最初は冗談にしか思えませんでした。
もしも、1つや2つ、面接官からの質問に間違えて答えた箇所があったとしても、彼女の場合、アティチュード(態度)の点数や、音読の点数が抜群に良いはずなので、不合格なんて、到底考えられなかったのです。
合否結果をドキドキしながら待っている生徒に、不合格を告げる時の辛さほど、筆舌に尽くしがたいものはありませんでした。
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11月に再チャレンジした彼女は、言うまでもなく、“満点に1点足りない点数”で、ぶっちぎりの合格を決めていました。
面接官によって、多少評価のバラつきがあるのは仕方がないことです。とは言えど、彼女の件に関しては、正直「なんだかなぁ~」という感想を持たざるを得ませんでした。
さて、昨日7月19日、英検協会から第1回目の新英検の結果が届きました。
ちょうど3年前、悔し涙を飲まされたその生徒は、まさに3年後の今、英作文導入で敷居が上げられた新英検2級において、堂々と合格を果たしました。
3年前の“こと”があっただけに、彼女の挑戦と成功は、大きな喜びとして心に染み入ります。
できることならば、3年前の彼女に教えてあげたい気持ちです。
不遇に対して文句も言わず、それをバネに変えて頑張った彼女。
なんか、勇者の背中というものを見せてもらった気がします。
Sさん、本当におめでとう!