ねじれ
「私の夢は、看護師として社会に貢献したいと思います。」×
→「私の夢は、看護師として社会に貢献することです。」○
先日、机の中を整理している時に、昨年と一昨年の夏期講習で使用した原稿用紙のコピーを見つけました。
小論文の授業は、生徒が書いた原稿をその場でコピーして、その上に添削していく形を取っています。そのため、原稿が100枚あれば、コピー原稿も100枚存在します。
夏期講習期間中、机が原稿用紙の山に埋没したことは、言うまでもありません。
この原稿の著者たちは、今や立派な大学1年生、もしくは2年生。原稿のコピーは、卒業生たちの歴戦の跡のようなものです。
冒頭のような“ねじれ”に“小並感”も溶け込んだ絶望的な絶妙な初期作から、思わず唸ってしまう“快心の一撃”を放つ後期作まで、そこにはさまざまな成長の歴史がうかがえます。
歴史をたどっていく楽しさに夢中になり、思わず10作品ほど読み続けていました。
気が付けば終電が迫っていて、危うくエンちゃんの家に一泊する羽目に・・
☆ ☆ ☆ ☆
主語と述語の関係が意味的に成立しない文を、“ねじれ文”と言います。
都立入試の国語でお馴染み「200字作文」の添削中、よく拝見します。
例えば、
「エンちゃんの夢は(主語)、*トライアスロンに出たいと思っています(述語)。」×
→「エンちゃんの夢は(主語)、トライアスロンに出ることです(述語)。」○
→「エンちゃんは(主語)、トライアスロンに出たいと夢見ています(述語)。」○
「*トライアスロンに出たいと思っている」のは、エンちゃんであって、「エンちゃんの夢」ではないですよね。
日本語の怖さ凄さって、“ねじれ”の響きに違和感は感じても、意図する内容が自然と通じるところにある気がします。
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この怖さ凄さは、英語に直訳しようとすると、スッと納得できます。
昨日タイミングよく、それをスッと実感する事例に遭遇しました。
休み時間のこと、高3生のSさんが授業予定を確認していました。
彼女はたぶん、「次のコマ、私の授業は小池先生がするんですか?」と言いたかったのでしょう。
Sさん:「私は、小池先生ですか?」 Am I Mr. Koike?
「変身したの?」
華麗なる“ねじれ”加減に、Sさん本人も含め、爆笑しました。
皆で仲良く、お腹が“よじれ”そうになりました。
21日からは、いよいよ夏期講習が始まります。今年はどんなドラマが待ち受けていることでしょう。今から楽しみです。
ああ、太陽がまぶしいなあ~。