最後のジャム生
(3月27日付「Marking the 6th Anniversary!」の続編となります)
私が前任者から彼女の授業を引き継いだのは、彼女がまだ中1の頃。
現在のジャムスクール武蔵境が立ち上がる1カ月前のことでした。
初めての授業の時、彼女がカバンから取り出したのは、中3用の英語テキスト。
彼女は帰国子女ではなく、市内の公立中学に通う中学生のはずでは・・?
慌てて前任者に確認してみると、
「ああ、大丈夫ですよ。スラスラと進められますので。」
☆ ☆ ☆
勉強が得意な子って、大きく2つのタイプに分けられます。
1つは「真面目な優等生タイプ」の子。
こういった生徒は、そもそもジャムには来ません…(泣)大手の塾さんに行ってしまいます。
そしてもう1つは「そうは見えない」子。
こういった生徒は、基本的に明るくフレンドリー。講師に対しては、友達感覚で接してきます。あと、スポーツが大好き。
彼女は後者でした。
口癖は「やば~い!」
「できなかった。やば~い!」
「うまくいった。やば~い!」
もともと「否定的な」意味で用いられる「やばい」という言葉を、「凄い」という意味でも使ってしまう両刀使いの先駆者でした。
世の中には「やば~い!」という若者言葉に対して、眉をひそめる大人もいます。
「そういった言葉を使う子どもは、成績がよくない」といちゃもんを付けて「やば~い」の使用を禁止した中学校の先生もいるとか。これはある意味で、やばい…。
しかし、中学時代の彼女の成績は、かなりやばい(凄い)ですよ。(残念ですが、個人情報となりますので、具体的数値はヒ・ミ・ツ)
他にも、数検グランプリの金賞に選ばれたり➡、模擬で全国の成績優秀者リストに載ったりと➡、様々な伝説を残しました。
彼女のおかげで、当塾内では「やば~い、という言葉を使うと、勉強ができるようになる」という風潮が広まりました。(私も使い始めました…。)
高校は都立の最難関高校の一つに入り、運動部に所属して部活三昧の日々。
行事が特に盛んな高校だったので、部活を引退した後の高3の夏休みさえも、文化祭の準備で毎日学校へ行っていました。そして夜は塾で夏期講習。
「まるで青春映画の主人公だ。文武両道が最高レベルの才女が目の前にいる。」
正直、私はカルチャーショックを受けました。
「こういう人間って、本当に世の中に存在するんだ…。」
私は中学以上の生徒には、苗字に敬称を付けて呼びますが(男子なら○○君、女子なら○○さん)、
彼女に対しては、名前に様を付けて「まゆ様」と呼ぶようになりました。
(続く)